更新日:2024/03/12
離乳食を始める時期
母乳や人工栄養(ミルク)だけをとっていた赤ちゃんに、なめらかにすりつぶした状態の食物を与え始め、次第に食物の固さと量、種類を増やしていくことを離乳といいます。
始める時期は5~6か月頃が目安ですが、食べるための準備ができているか、赤ちゃんの反応を確認して始めるといいですね。
赤ちゃんの食べるための準備はOK?
下記の様子が見られたら、離乳食スタートのサインです。
・首がしっかりすわり、支えると座れるようになりましたか?
・大人が食べる様子をみて興味を示しますか?
・哺乳反射(スプーンなどを口に入れると舌で押し出す反応)は、なくなりましたか?
・体調がよく元気ですか?
進めるにあたって
初めて食べさせる食材は少量から与え、なにか問題があった場合、すぐに病院に行くことができるので、始める時間帯は医療機関のあいている日の午前中がよいでしょう。
また、食物アレルギーを心配して、始める時期を遅らせたり、特定の食品を食べさせないなど、独自の判断で進めずに、心配なときは保健センターや病院で相談してくださいね。
関連サイト
生後5か月からの「離乳スタートガイド」(こども家庭庁)
生後5か月からの「離乳スタートガイド」 別紙スケジュール(こども家庭庁)
わこちゃんカフェ 離乳食の進め方の目安(和光堂)
離乳食講習
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関連ページ
離乳食ってどうしてあげるの?
離乳食は、赤ちゃんがミルクや母乳以外のものを飲んだり食べたりできるようにするものです。栄養を与えるよりも、食べるという行為の「飲み込む」「すりつぶす」「噛む」で舌・歯・あごが発達していくことが大切なポイントとなります。
舌の動きは言葉の発音、歯の動きは唾液の分泌、あごの動きは歯並びに関係していきます。
また、ミルクや母乳を吸うことと、飲み込むことは違います。口の中で噛めるけれど飲み込めない赤ちゃんは意外と多く、これも離乳食が進んでいくと解決していきます。
離乳食の進み方は個人差がありますので、あせらず赤ちゃんのペースで進めていきましょう。
関連サイト
食べさせてOK?NG?
赤ちゃんの月齢で進める離乳食には、離乳時期に合った食品・調理方法があります。
赤ちゃんの胃や腸などの消化器官は、まだ完全ではありません。いきなり大人と同じものを与えるのは、とても危険です。
新鮮なものや旬なものを選び、赤ちゃんの機嫌や体調を見ながら離乳食に取り入れてください。
1歳未満の乳児にはちみつを与えないでください
乳児ボツリヌス症とは、1歳未満の乳児がボツリヌス菌の芽胞に汚染された食品を食べると腸管内でボツリヌス菌の芽胞が発芽、増殖し、その際に産生される毒素により発症する病気です。
初期は便秘が続き、進行すると筋力の低下・哺乳力の低下・泣き声が小さくなる等の筋肉が弛緩することによる症状が見られます。
主な原因食品ははちみつです。はちみつを含む飲料や菓子等も含め、はちみつを1歳未満のお子さんに与えないようにしましょう。
関連サイト
離乳食OK食材~選び方早見表~(パルシステム 子育て123)
離乳食NG食材~要注意食材まとめ~(パルシステム 子育て123)
スプーンを嫌がるのは
赤ちゃんは物の形を口の中で確かめるために、口に入れたりなめたりするものですが、生まれ持った押し出し反射(異物がくると押し出そうとする)があるため、ママが入れるスプーンには戸惑うそうです。自分の意志とは関係なく口に入れられるスプーンは大人でも嫌かもしれませんね。
スプーンに慣れるため、最初は持たせて慣れた頃に離乳食を始めても遅くはありませんよ。
口に運ぶときの注意点として、舌の先にいれるのではなく、舌の中央にいれてあげましょう。
子どものペースをつかもう
赤ちゃんによって興味がでる時期も違います。大人の食事をじっと見つめる子もいれば、全く興味がない子もいます。周りの子が順調に進んでいると不安になりますが、進み方はそれぞれです。自分の子のペースをつかんで進めていきましょう。
赤ちゃんでも「まだ遊んでいたい」「食事のイスに座りたくない」「ミルクや母乳以外に食べるものがあると気がついていない」などの理由があるものです。
食事の時に大切なのは楽しく食べること。無理に食べさせようとはせずに、食べない物はさげたり、しばらく経ったらまたチャレンジしてみたりと、気を楽にして進めていきましょう。
体重が増えないと悩んでいる人は、母子手帳にある成長曲線のグラフをつけてみましょう。元気に過ごせて、緩やかでも体重が増えていれば、それがその子のペースです。
体重増加がなくなったり、成長曲線から外れていったりする場合や、急速な体重増加により大きく外れるような場合は、医師に相談してみるとよいでしょう。
座って食べてくれない
「食事は座って食べる」というマナーは、赤ちゃんの頭にはありません。
食事の度に座っていくことで、食事は座って食べるものと認識していきます。食べないからと追いかけて口にいれてあげていると、このマナーは身につきません。
食事の椅子から降りて、遊び始めたら食事の時間はおしまいだねと片付けていくとよいでしょう。
あまり食に興味がない子
赤ちゃんによって「ミルクや母乳以外は欲しがらない」「これしか食べない」という子もいます。
食べられる物があれば、それを中心にしながら、1品ずつメニューを増やしていきましょう。栄養バランスよりも食べるという習慣が大切です。
またミルクや母乳でも体重が増えているのであれば様子を見守ってもよいでしょう。
成長と共に行動範囲も広がり、活動量も増えてくるとお腹も空きやすくなります。食べたいという欲求も増えてくるので1つのメニューにこだわっていた子も、気が付くと色々と食べられるようになっていくものです。離乳食が進むと次第にミルクや母乳の量が減り卒業していきます。焦らずに進めていきましょう。
ベビーフードも利用しよう
赤ちゃんのために離乳食は手作りしたい!と思うママは多いと思います。
赤ちゃん用にいちから作る。大人用の味付け前にとりわける。など努力しているママもいるのでは。
ですが、ママが努力した分だけ食べてくれるとは限りません。一生懸命作っても食べてくれないと努力も無駄になってしまいます。
また、離乳食作りは、料理が苦手と感じているママにはハードルが高く感じるもの。自分のメニューがワンパターンだなと思ったときにはベビーフードのダシやソースなどを利用するのも一つの方法です。また、自分で作るときにベビーフードの食材の固さや使用食材などを参考にするのもいいですね。
離乳食は、食べるという習慣作りも大切です。手作りにこだわらなくても心配ありません。
ベビーフードを利用することで気持ちや時間に余裕もでき、楽しい食事の時間を楽しみましょう。
病気のときの離乳食
病気や体調不良の時の離乳食は、病院で受診して医師の指示に従うことが基本です。
消化のよい食材を選んだり、量を控えるなどの配慮も必要な場合もあります。
脱水の予防のために、水分の補給も心がけましょう。