公開日:2018/06/09
作成者:えりひょん
とある日の編集会議で、ふとぼっくるん隊の間で湧いた疑問「小規模保育園」ってなに?
わからないなら調べてみよう!というわけで、草加市の保育園制度について詳しいかたから「保育園制度」について学びながら、座談会を開催いたしました!
ぼっくるん隊だから書ける!というところまで踏み込んでみたい、と思います!!
「保育園制度」について教えてください
【座談会参加メンバー】
Aさん(=A):保育にかかわるお仕事を長年されていたベテラン。今回、保育制度について簡単にご説明いただきました
ぼっくるん隊メンバー(=ぼ):数人いましたが、ここでは「ぼ」で統一します。
コーディネーターさん(=コ):子育て支援センターなどにいらっしゃいます。オブザーバーとして参加。
A「2015年から始まったいわゆる新制度における、施設の種類から説明します。
【小学校以降の教育の基礎を作るための幼児期の教育を行う学校】
幼稚園(従来通り)3~5歳
幼稚園(新制度に則る)3~5歳
【就労などのため家庭で保育のできない保護者に代わって保育する施設】
保育所 0~5歳
【保育所(原則20人以上)より少人数単位で、0~2歳の子どもを保育する事業】
地域型保育 0~2歳
⇒ ここがさらに分類されて、4つのタイプがあるのだけど、それは後述します
【幼稚園と保育所の機能や特徴をあわせ持ち、地域の子育て支援も行う施設】
認定こども園 0~5歳
ざっと種類を紹介するとこんな感じになります!」
ぼっくるん隊メンバー(=ぼ)「へー いろいろあるんですねー」
「保育所」(幼稚園、認定こども園)について
A「そもそも幼稚園は教育の場、保育所は生活の場なのです」
ぼ「なるほど」
A「幼稚園については新制度に移行した幼稚園とそうではない幼稚園があるのですが、教育内容についてはほぼ変わりはありません。もちろん園によってそれぞれの特色はありますが」
ぼ「では何が違うんでしょう?」
A「草加市では「草加みどり幼稚園」が新制度に移行した幼稚園です。簡単にいうと、保育料の違いです。新制度に移行した幼稚園は、保護者の所得に応じて、国が定める基準を上限として、市町村が地域の実情に応じて定めます」
ぼ「じゃあ、新制度に移行したみどり幼稚園のほうが安いんですか?補助金もあるし・・・」
A「そこです!もともと幼稚園には「私立幼稚園就園奨励補助金」という制度があり、保護者の負担を軽減するための補助があるのですが、新制度に移行した幼稚園は対象外です。なので補助金はありません。みどり幼稚園だけではなく、認定こども園の「あずま幼稚園(教育部門)」や「かおりKaruna認定こども園(教育部門)」も同様です」
ぼ「上の子がかおり幼稚園に通っていたときは認定こども園じゃなく、下の子が入園して途中から認定こども園になったのですが、たしかに急に保育料が安くなったな、と思いました!でもたしかに補助金はなかったかな。あと上の子が小学校4年生になったら、急に保育料が増えて(認定こども園ではなかったときと比べて)そんなに金額的なメリットは感じなかった気が・・・」
A「そうですね。平たく雑にいうと、補助金が後に返ってくるか、先に補助金を考慮した額なのか、の違いですね」
ぼ「じゃ、草加市においては保育料の違いはそんなになさそうですね~」
A「私立幼稚園の場合は各園が独自に設定しているため、なかなかそうは言い切れないですけど(^^;;」
ー(司会者)保育料の話題で盛り上がってしまいましたが、施設の違いはあるんですか?
A「新制度に移行した幼稚園かそうではないか、で大きな違いはないです」
ー(司会者)なるほど。では保育園の場合はどうでしょうか?
A「先ほども説明した通り、保育所は生活の場、幼稚園は教育の場、です。あと対応する年齢が違います。そのため、保育園は赤ちゃんが「はいはいできる場所」だったり「医務室(急に具合が悪くなったときに休める部屋)」が必要です。また子どもたちに提供する食事ですが、保育園は自園調理なので、調理する場所が必要です」
ぼ「そういえば、幼稚園は外部から給食を仕入れたり、給食室で作っていたり園によって違いますね」
A「今は保育園でも教育面に力を入れていますし、働く保護者が増えているので、預かり保育が充実している幼稚園もあります。保育園だから、幼稚園だから、というよりはその園の特色によるところが大きくなっていることも事実です。保育園と幼稚園の組み合わせてつくろう!となったのが「認定こども園」です」
ぼ「うちの子は認定こども園に通っています。だから、保育園として申し込んだ人と幼稚園として申し込んだ人がともに通っているんですね」
A「そうですね。保育部門と教育部門に分かれてはいるものの、教室自体を分けることはなかなかハードルが高いので、混在している状況かもしれません」
ー(司会者)メインの「小規模保育」にたどり着かなくなってしまうので、次に移ります
小規模保育って?
A「小規模保育というのは、地域型保育のなかにある
家庭的保育(保育ママ)
小規模保育
事業所内保育
居宅訪問型保育
という4つのタイプのうちの1つなんです」
ぼ「(・_・D フムフム」
A「事業所内保育と居宅訪問型保育それから小規模保育のC型は草加市にはないので、割愛しますね。概要はこんな感じです。
家庭的保育(保育ママ)
家庭的な雰囲気のもので、定員5人以下で、きめ細やかな保育を行う
【草加市の施設だと】
ひまわり家庭保育室
小規模保育
定員6~19人。家庭的保育に近い雰囲気のもと、きめ細やかな保育を行う
さらに小規模保育は職員の違いで分類されていて、
A型:保育従事者が全員保育士
B型:保育従事者の2分の1が保育士(保育士以外は研修を受けたもの)
C型:保育従事者は家庭的保育者(研修を受けたもの)※草加市にはありません
【草加市の施設だと】
A型:ニコニコルーム、ニコニコたんぽぽ保育室、あさひなのはな保育室、デイジー保育園草加駅前、ひだまり保育園、せんちゃま保育園
B型:保育室めりーごーらんど、もりまさ保育園草加園、ふぇありぃ保育園草加園、ふぇありぃ保育園松原団地園、エンジェルハウス松原園、そうか こばと保育園、かい保育園、さくらんぼ・もみの木保育室、エンジェルスマイル、サン保育園、サンベビー保育園、まつの木保育室、うえぞのさくら保育園
となるのです」
ぼ「ということは、保育所との違いとしては、
1)小規模保育は2歳まで
2)人数が少ない。それに伴い施設もコンパクト
3)B型やC型の場合は保育士さんじゃない人も保育に従事している
ということですか?」
A「そうですね。保育所でも保育士の資格のないかたが補助で入られる場合もありますが、違いはそのポイントですね。」
ぼ「家庭的保育の場合は保育士さんなんですか?」
A「家庭的保育の場合は家庭的保育者と言われているかたが必須とされています。家庭的保育者とは?思われるかもしれないけれど、県などが委託して実施している研修を受けた方という解釈でいいと思います」
ぼ「じゃあ、必ずしも保育士さんというわけじゃないんですね」
A「そうですね、有資格者が必須とはされていません。人数が少ないこと、2歳までと低年齢対象であることから、保育室を狭いと感じることもあるかもしれません。だから、「保活」を考えたとき園や施設の見学は必須だと個人的には思います。」
ぼ「確かに。イメージを深めるために、小規模保育をいくつか取材させていただくのもいいかもしれないね」
A「うんうん、賛成です。保育所というとイメージがわくかもしれませんが、小規模保育って施設によっても雰囲気がだいぶ違いますし、実際見ていただくのは一番かと思います」
ぼ「そうですか!では小規模保育取材は別記事でお楽しみに!!」
教えて!保活に関するアレコレ
ー認定について
ぼ「そうそう!私、以前保育園を利用していたことがあるのですが、保育園の受け入れ可否の通知以外に認定?の書類も届いたんですけど、あれは何ですか?」
ぼ「あ!うちも認定こども園になったとき1号認定がどうのっていうのが届きました!」
A「それはですね、施設などを利用する際に、草加市から利用のための認定を受ける必要がある、ということなんです。子供の年齢や「保育を必要とする事由」に該当するかどうか?であなたはこの種類の施設が利用できますよ、という認定を受けるんです。
あなたのお子さんはこちらに認定しますという通知
こちらの保育園でしたら受け入れ可能ですという通知
2種類あったということでしょう」
ぼ「では保育が必要と認されても、保育園に入れないってこともあるということですか?」
A「そうです。認定はあくまでもこの施設が利用できますよ、ということ。●●園に入れるかどうかというのはまた別です」
ー保育園の申し込みについて
ぼ「都市伝説で、保育課に何度も通うと保育園に入りやすいって聞いたんですけど、本当ですか?」
A「ありません。ただし、保育課のかたは「聞かれていないことまでは伝えられない」ので、たくさん質問をしていると、入園案内に書かれていたけれど見落としていたとか、解釈の仕方が違ったなどの、そうだったのか!という情報が返ってくるかもしれません」
ーコーディネーターさん(子育て支援センターなどにいらっしゃいます)「私たちは『ここは見ましたか?』『これは●●で案内されていますよ』など視野を広げるヒントをあげることができます」
ぼ「心強いお言葉・・・!ありがとうございます!!」
A「点数が絶対です。ほかの要素はありません。長い手紙を書くといい、保育課の職員のかたに顔を覚えてもらうといい、街の有力者や市の職員の知人友人だから保育園に入れた、などとウワサがあったりしますが、すべて嘘です!書類をよく読み、間違いなく申請書を記入することが保活成功の近道です!」
ぼ「おお!でも書類、文字が多くてわかりにくい・・・」
A「ですので、ヒントを求めてコーディネーターさんに声をかける、わからないことは保育課に問い合わせる、などがよいですね。あいまいなまま、間違えて書くことが一番もったいないです」
ー結局どの種類の施設がいいの?
ぼ「保育園は生活の場、幼稚園は教育の場、スムーズな移行や連携をという意図はあるけれども、現実はなかなか難しいです。
また、保育士資格を持つ職員と持たない職員が混在していると、保育士の専門性とは?という疑問が湧いてしまいます。保育士の賃金が安いとか子育てなんて誰でもできるでしょとか、軽んじられる結果につながりかねないです」
一同納得
ぼ「小規模保育の良さも知ってもらいたいってところから、小規模保育について調べてみようと思ったけれど、ぼっくるん隊として手放しで「小規模保育っていいよ!」とは言いにくいかもしれません・・・」
A「そうですね。でも小規模保育を知らなくて、申し込まないことよりも、知ったうえで申し込まないという判断を保護者のかたがする、ということに意味があると思います。保護者のかたの好み、価値観で決める、自分で納得することが一番だと思います」
ぼ「確かに。私は子どもを家庭保育室、保育園、幼稚園と通わせたけれど、それぞれ違った良さやここはちょっと、、、と思うことがありました」
コ「草加市で人気の幼稚園は?保育園は?とよく聞かれますけれど、逆に『一番気になるポイントは何ですか?』と質問します。幼稚園や保育園選びってそのかたの価値観で変わるからです」
A「そうなんですよ。保育園の申請書に長い手紙を書いて添付するよりも、実際の小規模保育をみて、納得したうえで決めてほしいです。また実際に見学へ行く際は、『厚生労働省の【よい保育施設の選び方十か条】(こちらをクリック)』がとても参考になるので、先に読んでから行くといいと思います」
ー(司会者)いいお話が聞けました。ありがとうございました。そろそろ時間ですのでこちらで閉めさせていただきます!
ぼっくるん隊として初めての試みでしたが、いかがでしたでしょうか。
保活や園選びについて悩んでいるかたへ、少しでも有意義ななにかをお伝えできていれば幸いです。
たくさんの情報が容易に手に入る時代だからこそ、何事においても自身の価値観やセンスが大切なのかもしれません。
記事の中で予告した通り、小規模保育の取材記事も近日アップ予定なので、気になっている方はぜひご一読ください!
座談会開催日:2018/5/15
※記事の中の情報は座談会当日のものです。