公開日:2018/07/03
作成者:ちえ
草加市には、「子どもたちに『なまの人形げき』を届けたい!」と、活動している人形げきのグループがあります。今回紹介する3つのグループは、どれも30年以上もの長い間、子どもたちに楽しい人形げきや影絵を届けています。昨年、その3つの劇団の公演を取材させていただきました。取材日順にご紹介します。
ともだち文庫運営委員会 がちょうの子 ハメハメハ
ともだち文庫運営委員会
毎年秋に開催される中央公民館まつりで、ともだち文庫の影絵公演は恒例になっています。幼児や小学生の親子が楽しみにしています。
「子どもの時に観て楽しかったので、この子にも見せてあげたくて来ました」というお母さんにお会いしました。
昨年(9月30日、10月1日)の公民館まつりでの演目は、
「だるまちゃんとてんぐちゃん」「めんめんばあ」他に手あそびなどがありました。
スクリーンに映し出される鮮やかな映像を食い入るように見つめる子どもたちの目が輝いていました。生演奏のBGMも、生のセリフも耳に心地良く響きました。代表の山本さんにともだち文庫の影絵について語っていただきました。
文庫の活動から生まれた劇団
「公民館が今の場所に開館する前、草加駅近くに木造の公民館がありました。そこで子どもの本や子どもの発達などについて学び合っていた母親達が公民館の職員と作りあげたのが、『ともだち文庫』です。『子どもたちによい本を手渡したい』と、公民館の一部屋で本の選定から絵本の貸し出し、おはなし会を行いました。新しい公民館でも今の図書室でともだち文庫の活動は引き継がれました。会の活動を続ける中で、絵本を題材にした手作りの影絵を制作して公演するようになりました」
発足して今年で37年! 数々の作品があります
「これまで多くの作品を手がけてきました。
・おまえうまそうだな
・魔女のたまご
・たまごにいちゃん
・でんしゃにのって
・ねずみのよめいり
・わたしのワンピース
・スイミー
などなど…が有ります」
こだわりの作品作り
「ともだち文庫運営委員会の影絵メンバーは現在8人で、メンバー随時募集中です。
公演の作品選びから人形制作、シナリオ作り、作詞作曲まで、メンバーが手がけています。ともだち文庫の影絵公演の特徴は、なんと言っても生演奏です。楽しいですよ!是非一緒に作品を作りましょう。お子さん連れ大歓迎です。ちびっこのお守りをしたいおばさまたちがお待ちしています。
今年の中央公民館まつり11月10日(土)、11日(日)には『しろくまちゃんのホットケーキ』と童謡メドレーを上演する予定で、ただ今制作中です。制作、練習は基本的に毎週水曜日の午前中(隔週になることもあります)です。
影絵メンバーは『一人一人のペースを大切に、無理せず、楽しく』をモットーに活動しています。影絵に関わっている時は、○○ちゃんのお母さんでも、○○さんの奥さんでもなく『わたし』に戻り、学生気分で楽しんでいます。その楽しさが観てくださる方たちに伝わる!のだと自負しています。
影絵の出張公演は相談に応じます。今年度の依頼は、すでに12月15日(土)草加市中央図書館のクリスマス公演が決定しています」
ともだち文庫運営委員会
代表 山本多美子
電話 048-921-1034
人形劇団 がちょうの子
県民の日の11月14日(火)、中央公民館に「がちょうの子」の公演を訪ねました。
この日の演目はボードビル『うさぎのダンス』、人形げき『三びきのこぶた』など。舞台の上で軽やかに歌い踊るうさぎたちのダンスに、観客の子どもたちも一緒に体をゆらして楽しそうでした。
三びきのこぶたの人形げきでは、オオカミに家を壊される子ぶたたちを心配して思わず声を出して応援する子どもたち。ハラハラドキドキ、夢中になって舞台を見つめている姿はなまの人形げきならではのものと思われました。
子どもたちに人形げきを届けて35年
「人形劇団『がちょうの子』は、中央公民館まつりで、『がちょうの子』を演じたことから名付けられました。その時以来子どもたちに人形げきを届けて、今年35周年を迎えます。
テレビなどの映像メディアではなく、子どもたちに『なまの人形げき』を届けたいと言う思いから始めたのですが、近年の子どもたちを取り巻く状況を考えると、その思いはますます強くなっています」とおっしゃっていました。
手作りの温かさ
35年間もの活動ですから、たくさんの作品があります。
一つの人形げきを上演するには、まず原作選びから始まります。そして脚本書き、脚色、人形作り、音楽、効果音、演出といくつもの工程があるのですが、がちょうの子は全て手作りにこだわっていると言うことです。
今までの主な作品たち
「あくしゅでこんにちは」
「浦島太郎」
「大きなかぶ」
「おじさんのかさ」
「かくれんぼ」
「かさこじぞう」
「がちょうの子」
「サンタさんからきた手紙」
「三びきのやぎのガラガラドン」
「世界で一番きれいな声」
「てぶくろ」
「ねずみのすもう」
「ぶす」
「ブレーメンのおんがくたい」
ボードビルでは「うさぎのダンス」「森のこびと」などが有ります。
公演依頼・入団大歓迎
人形劇団「がちょうの子」は、毎週月曜日に中央公民館で8名の団員で活動しています。公演依頼やお問い合わせは、連絡先・小泉和美さんまでお願いします。対象年齢、公演時間など様々な組み合わせが出来るので、お気軽に問い合わせてくださいとのことです。入団は大歓迎とのことなので、興味のある方は気軽に覗いてみてください。
人形劇団 がちょうの子
人形劇団 ハメハメハ
♫ 南の島の大王は その名も いだいな ハメハメハ~ ♫
軽快な音楽にのって、舞台の上にフラダンスの格好をした人形たちが登場し、軽やかに舞いおどります。
創立39年、草加の人形げきの草分け『人形劇団 ハメハメハ』の舞台を観て育ったお父さん、お母さんも多いのではないでしょうか。
観客の子どもたちと舞台の人形が一体となって
「人形げき」と言うと、幼い子どもたちが観るもの、と考えている方が多いようですが、良い人形げきは大人が観ても楽しいものです。
今回は、髙砂児童クラブのクリスマス会での公演を取材させていただきました。演目は、ボードビル「南の島のハメハメハ大王」、人形げき「まいのクッキングタイム」「つねたとぽんた」、群読「三枚のおふだ」で、それぞれ違った味わいのある出しものでした。
群読では、日本古来の楽器「鼓」と「太鼓」の生演奏を効果音に取り入れて、やまんばに追いかけられ、逃げまどうこぞうのせっぱ詰まった気持ちを迫力あるものにしていました。小学生一年生から六年生まで130名ほどの児童クラブの子どもたちと演じ手が一体となって作りあげる場の雰囲気は感動的でした。
人形げきの講座から発足して39年
発足当初からハメハメハの代表を務める原田さんに人形劇団ハメハメハについて伺いました。
*ハメハメハはいつ頃どのようにして発足したのですか。
「谷塚西公民館(新里文化センター)で人形げきの講座が有り、そこで学んだ有志が集まって人形劇団を立ち上げました。発足は昭和54年(1979年)1月ですから、今年で39年を迎えました」
*随分長い間の活動ですね。その間、今に至るまでのご苦労や喜びを教えてください。
「喜びはなんと言っても観客のみなさんの笑顔です。特にお子さんのキラキラした瞳に出会うとそれまでの苦労も忘れてしまいます。それから、埼玉県から「ともしび賞」、草加市から「草心賞」を頂いたことも大きな喜びで会員の励みになりました。
苦労は、人形げきは大きな舞台を組み立てるので、毎回大道具、小道具を運搬しなければならないので、車や人手の手配が大変です。それから会員の維持でしょうか」
*作品を仕上げるにあたってのご苦労はどこですか。
「私たちの作品は全部手作りなので、脚本づくり、テーマ曲探し、大道具小道具の製作と、大変ですが、作る喜びもあります」
*演じていて感じることを教えてください。
「観客の子どもたちと一体感を持てた時は感動です」
*どんな演目がありますか
「いろいろありますが、
草加の昔話を題材にした「むじな大尽」
きつねとたぬきが化け比べをする「つねたとぽんた」
他に「ふしぎなおうち」などが有ります」
*どんなところで公演していますか。
「保育園 児童クラブ デイケアセンター 図書館 児童館などに行っています」
*団員のみなさんが大切にしていることは。
「手作りの作品にこだわっています。会員6名で、長い間ずっと続いているのは、それぞれの私生活を大事にして来たからだと思います」
*子どもたちや保護者へのメッセージをお願いします。
「なまの人形劇を是非みてください」
人形劇団 ハメハメハ
取材日:2017/9/30、11/14、12/25
取材・作成者:ちえ