公開日:2023/03/01
作成者:こむすび
子どもについて悩んだり不安に感じている時、それを話せる人や場が近くにあったらいいなと思ったことはありませんか?「できれば同じようなことで悩んでいる人や経験者の話を聞いたり情報交換ができて、子連れでもリラックスして過ごせるような場」があったとしたら…。
これから紹介する「親の会ひまわり」は、まさにそのような場所を運営している団体です。
親の会ひまわりとは
親の会ひまわりは、“子どもの障がいや発達への不安を抱える親のための場作り“を目的に、2017年に市内在住の母親3人で立ち上げた親の会です。
草加市社会福祉協議会のふれあい・いきいきサロン登録団体や子育て応援隊でもあります。
「おしゃべりカフェ」を開催
定期的に参加者と一緒に子どもに関する悩みや不安を吐き出し合ったり、園や学校、療育などの情報交換をする場「おしゃべりカフェ」を開催※しています。
子どもの年齢は問わず、グレーゾーンとされる方はもちろん、特別な障がい名や病名はついていなくてもどなたでも予約不要で参加でき、参加料もかかりません。
和やかなムードになるようにという想いから、以前はお茶やお菓子などを用意して参加費100円で実施していたそうですが、コロナ禍以降は飲食の提供を取り止め、現在は無料です。
※奇数月の第1または第2金曜 10時~12時 草加市文化会館にて開催 詳細はinstagram、facebookでご確認ください
設立のきっかけ・活動への想い
おしゃべりカフェについて「お子さんの個性や特性に悩む方は多いと思いますし、広く保護者の方の悩みに寄り添える場にしたいと思っています。」と語るのは、ぼっくるん隊メンバーの「*あき*」さん。
- 実は彼女は「親の会ひまわりを立ち上げた母親3人」の内の1人なんです。団体設立のきっかけや活動への想いを聞きました。
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支援が必要な我が子の「入学」という岐路にたって
私たちが活動を始めた当時、我が子は学区内の小学校の特別支援学級(知的クラス)在籍の1年生、他の2人(立ち上げメンバー)の子どもは翌年に入学を控えていました 。
それぞれが入学という岐路に立ち、支援が必要な度合いや家庭の意向により、特別支援学校、地域の小学校の特別支援学級、普通級、通級、私立など多くの選択肢があること、また支援を望む場合は教育支援室に相談する必要があること、そして希望してもそこに通えないこともあることなどを目の当たりにしていました。
悩み、葛藤するも、話ができる人が近くにいない
放課後等デイサービスはどうしよう、仕事は、きょうだいは…など考えることやそれに伴う手続きも多く、子どもや家族にとってどうするのが良いのかそれぞれに葛藤・悩みながら動いていました。
そんな私自身が「今まさに誰かと情報交換がしたい!」「先輩ママさんの話が聞きたい!」と思ったとき、近くにはなかなかそういう話ができる(=同じ経験をした)人はいませんでした。
同じような経験を持つ仲間の「支え合いの場」を作りたい
1人悶々とする日々を過ごすなかで、(程度の違いはあれど)私と同じように支援が必要な子を持つ2人は、私が経験したことを熱心に聞いて共感してくれたりアドバイスしてくれたり、次第にとても心強い存在となっていきました。
かねてから「3人でなにかやれたらいいね」と言っていたこともあり、それならいっそのこと、こういうピアサポート(=同じような悩みや経験を持つ仲間同士の支え合い)の場を作るのはどうだろう?と思うようになりました。
「定期的に集まれる場を開いて、参加してる人同士で情報交換をしたり、思いを吐き出したりできたらいいよね!」
「お菓子をつまみながらお茶をしたり、リラックスできる音楽かけたりして少しでもリフレッシュできる時間が過ごせたら最高!」
「私が経験したことが誰かの役に立つかもしれないなら、下の世代のママたちにどんどん伝えていきたい!」
と3人の意見が一致し、トントン拍子に活動がスタートしました。
これまでの活動
はじめの数年は3人のそれぞれの友人がたくさん参加してくれ、文化会館の和室がぎゅうぎゅうになるほどの賑わいでした。
やっぱりこういう場を欲してた人はたくさんいたんだ!と嬉しかったし、多くの人が知りたい情報が提供できるよう3人であちこちに見学に出掛けたりもしました。
時にはおしゃべりカフェに地域の療育施設の職員さんが参加してくださったり、他の親の会の方たちと交流を持ったり、年末には就労支援施設からデリバリーしてもらったものを食べながらクリスマスパーティーをしたり、他の団体との共催で大学の先生をお招きして講演会をしたこともあります。
コロナ禍になって
子どもたちが成長するにつれ悩みが減ったり変わったり、それぞれの場で話せる人に巡り会えたりしたおかげもあり、友人たちの参加は少しずつ減っていきました。
さらにコロナ禍となりおしゃべりカフェ自体が開催できなかった(Zoomを使ってオンラインで交流したりしていた)時期もあり、対面での集まりを再開した後でも近年は参加者さんが1人もいないこともありました。
でも、最近になり、近隣の親の会の方との出会いがあったり、数年前に参加してくださった方が「下の子のことで悩んだときにここを思い出して…」と来てくださったり、ぼっくるん隊の新メンバーのMATSUさんが過去に参加してくださった方だったりと、嬉しい再会もありました。
「場がある」ことが大切
時勢柄、人が集まる会のことを積極的に宣伝しにくく、また療育を通した親同士の交流もなくなって下の世代の知人がほとんどいないこともあり、新しい参加者さんを増やす難しさを感じています。
でも、「場がある」ことが大切だと思っているので、参加者がどなたもいなくても必ず定期的に開催しますし、都合がつかない方や参加に不安がある方のためにメールやSNSのメッセージなどでのご相談にも応じています。
地域の子どもと保護者の力になりたい
私たちは専門家ではないのでお子さんの個々の悩みに関して答えをだすことはできませんが、同じ親の立場で話を聞いたり共に悩んだり、自分達はどうだったかという経験談や個人的な気持ちをお話しすることはできます。むしろそれしかできないのですが、だからこそ初めて私たちを知った方にとってハードルの低い存在でありたいと思っています。
2023年からは諸事情により実質2人での活動になる見込みですが、少しでも地域の子どもと保護者の力になれるような活動をしていきたいです。ぜひ気軽にお問い合わせください。
おしゃべりカフェ参加者の体験談
ここからは、おしゃべりカフェに参加したことがあるぼっくるん隊メンバー「MATSU」さんと「こむすび」の体験談を紹介します。
MATSUさん:子どもの発達障がいをきっかけに参加
私が4年前に草加市に引っ越してきた頃、子どもが情緒不安定でかんしゃくを起こすことが多く、総合病院で診てもらうと専門の先生から発達障がいであると言われたため参加してみました。
突然、自分の子どもを「発達障がい」だと言われたら、誰でもショックや不安を感じると思います。おしゃべりカフェは、同じ悩みを抱えた方達と情報交換をしたり「子どもへの接し方」や「就学の問題」などを話せる場でした。
私自身、育児の悩みでふさぎこむ時もありますが、ここで話をすることで気分転換にもなり、救われたと感じました。
こむすび:子連れでも気軽に行ける場所
取材での参加でしたが、いつの間にか日頃の悩みや不安(息子が登園しぶりしてるとか)を吐き出している自分がいました(笑)
その間、子どもたちは部屋を歩き回ったり、持ち込みのおもちゃで遊んだり、寝たり…と自由に過ごしていました。親だけでなく、他の参加者も子どもたちを見守っているので安心感があり、子連れでも行きやすいと感じました。
最後は、前向きな気持ちで終われるよう「自分の子どもの好きなところ」を言い合い(親バカ発言をして頬が緩み)笑顔で解散しました。
話をしてスッキリしただけでなく、参加者の経験談を聞くことで視野が広がり、とても有意義な時間でした。ご興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。
親の会ひまわり
【SNS・連絡先】 Instagram : https://instagram.com/himawari_soka/ Facebook: https://www.facebook.com/sokahimawari メール : sokahimawari@gmail.com |
作成日:2023年3月1日
作成・取材:こむすび
協力:*あき*・MATSU