「草加せんべい」が子どもの脳を刺激する!?

「草加せんべい」が子どもの脳を刺激する!?

公開日:2015/07/24

作成者:はな

_DSC1411草加を代表する食べ物と言えば、昔ながらのつくり方を大切にする堅焼きのしょう油せんべい、「草加せんべい」。今は、そんな「草加せんべい」が、草加市内の小学校の給食に取り入れられているようです。どうも草加市の名産品だから、という理由だけではなさそう……。

 

「草加せんべい」は主食にもなる!?

草加市立西町小学校と小山小学校の栄養教諭であり、さらに全国学校栄養士協議会の理事を務める今井ゆかり先生に、「草加せんべい」の魅力について尋ねてみました。

「『草加せんべい』はご飯と一緒でうるち米でつくられています。身体の主要なエネルギー源である糖質が豊富に含まれているので、おやつにはもちろん食事にプラスするのもいいでしょう。小学校給食では、器が小さいため、たくさん盛り付けることができないうどん給食のときは、糖質が不足しがちに。そこで、糖質を補う目的でよくパンを添えていますが、『草加せんべい』も同じく糖質が摂取でき、他にもうれしい効果が期待できるので、学期に一度くらいは給食に添えています」

でも、「草加せんべい」はしょう油をたっぷり使っているようで、塩分が気になるのですが……。

「『草加せんべい』は表面にのみしょう油を塗っているので、意外と塩分は少ないのです。子どもの1日の塩分摂取量は約4gと言われています。せんべい1枚の塩分量は0.4gほどなので、それほど気にすることはないでしょう」

と今井先生。では「草加せんべい」が持つ、栄養価以外の魅力とはいったいどんなものなのでしょう?

「『草加せんべい』は歯ごたえがいいですね。一般にスーパー等で売られているせんべいは空気を多く含み、軽く、やわらかなものが多いかと思います。でも『草加せんべい』は密度が濃く、ずっしりと重く、堅いのが特徴です」

ちなみに、先に話に出た糖質量は同じせんべいでも密度の濃い『草加せんべい』の方が多く摂ることができるようです。今井先生の話は続きます。

「そして、堅いものを食べるとしっかり歯を噛みしめるので、満腹感が得られるとともに、歯や歯ぐき、アゴが鍛えられます。アゴが発達すれば、歯の生えるスペースが整い、歯並びがキレイになりますよ。歯の生え変わる時期も、特別に柔らかいものを与える必要はありません。食べにくいことはあっても、残っている歯を使って十分噛むことができますし、歯ぐきですりつぶすことだってできるのです。一時期でも休ませることなく、歯と歯ぐきは鍛え続けていた方がいいですね。また、よく噛むことは脳を刺激し、活性化させることにもつながります」

さらに、今井先生は「草加せんべい」は国産米を使用し、着色料や保存料が無添加なので、子どもに安心して与えることができると言います。では、子どもにとって理想的と言える食材の「草加せんべい」を、より効果的に子どものおやつとして取り入れるとしたら、どんな与え方がベストなのでしょうか。

 

「せんべい」をアレンジして栄養価アップ!

_DSC1360「おやつの摂取量は1日の摂取カロリーの10%と言われています。3~5歳くらいのお子さんの1日の摂取カロリーはおよそ1300kcalなので、おやつは130kcalを目安に摂るといいでしょう。『草加せんべい』のカロリーは1枚でおよそ40kcal。『草加せんべい』2枚に飲み物をプラスするのがちょうどいいのでは。また、ビタミンが足りないと思えば、フルーツを添えたり、飲み物をフルーツジュースにしたり……。あるいは、『草加せんべい』をピザ生地に見立てて何かトッピングするのもいいですね。せんべいにチーズをのせてオーブントースターで軽く焼けば、香ばしさが増すうえにチーズがとろりと溶けて、それもまた格別。カルシウムや鉄分まで摂取できるので、さらに栄養価が高くなりますよ」

でも、おやつは不足がちな栄養を補うだけでなく、他にも利点があると今井先生。

「小学校低学年まではおやつで栄養を補う必要がありますが、それ以上の年齢になると1日3回の食事で十分栄養が得られるので、実は必要ないのです。でも、おやつには気分を変えたり、ホッとするといったリラックス効果が期待できるので、小学校高学年になってもおやつを食べて楽しい時間を過ごすことはいいことだと思います」

今井先生は、おやつの時間も食事の時間と同様に、親子のコミュニケーションづくりに役立てて欲しいと言います。

おやつの準備は子どもと一緒に♪

「おやつを食べるときは、子どもにお皿やコップを並べさせるなど手伝わせて、準備から一緒に行うといいですね。その点、『草加せんべい』をおやつにするなら、そのまま食べてももちろんいいですが、先ほどご紹介したせんべいのトッピングを、子どもと一緒に行うことで、いつものおやつタイムがより有意義なものになることでしょう。ほかにもせんべい生地をオーブンやオーブントースターで焼き、しょう油だれを塗って、子どもと一緒に焼きせんべいを楽しむのもおすすめです。どちらにしても、準備するときや食べるときは会話を大切にしてください」

さらに、子どもがおやつを食べている間は一緒に過ごし、そばで見守ることで、食べ過ぎやだらだら食べを防ぐことができると、今井先生。おやつに何を与えるか、内容はもちろん大事ですが、その時間をどう過ごすかも大切なことのようです。

今井先生、ありがとうございました。

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**焼きせんべいのつくり方**

1調味料(濃い口しょう油、清酒、水、2:1:1、砂糖少々)を合わせ、ひと煮立ちさせる。

2オーブンでせんべい生地を焼く(片面5分ほど)

3焼きあがったせんべいに1のしょう油だれを塗る。または、さっとくぐらせる。

*「草加せんべい」の生地は、店頭販売しているせんべい店があるので、お近くのお店を覗いてみてください。しょう油だれはそばつゆで代用してもおいしいそうです。

***関連サイト***

市内にあるせんべい店の紹介をはじめ、せんべいの原料や製法についての情報が公開されています。

草加せんべい振興協議会

 

取材日:27年6月17日
作成者:はな