公開日:2019/03/15
作成者:とま.*
子どものお手伝いはしたいけど。。
小学校へ進学するとまず、PTAによる役員決めがあります。
私の娘が入学した時の話ですが、入学式の日に小学校を通してPTAの委員会・係に関するアンケートが配られ、希望の委員会・係を記入し、次の日に提出します。
最初のクラス懇談会で、一家庭につき1つの委員か係に参加すること、前年度に委員を引き受けたら次年度には優先的に係を希望できること、・・・などなど様々な規則に従って決まっていきました。
「もっと子どもと関わりたい」「子ども達の日々の活動を近くで見てみたい」という想いはあるものの、当初、私は産まれたばかりの赤ちゃんを連れていたので、PTA活動は子連れでも大丈夫なのかな?働いている先輩ママたちはどう関わっているのだろう?役員さんは怖いのかな?と、恐怖感、不安感を抱いてました。
そんな中、入学前にママ友とよくPTAについて「この委員は大変よ」、「この係は子連れダメらしい」、「仕事してるのに、休みとるの大変なんだよね」と、PTAの噂話で盛り上がっていました。
そこで〝PTAの実際〟は、どうなのか?と本を読んで制度などを調べ、娘が通う学校のPTA役員さんへ取材し、生の声をまとめてみました。
そもそも、PTAってなに?
地域や教育機関によって差があるようなので、共通する事項を簡単にまとめてみます。
PTAは英語でParent-Teacher Associationの略で、保護者と教職員による団体です。本来の目的は、すべての子どもたちのための〝ボランティア活動〟となります。(児童・生徒・園児は支援される対象で、PTA会員には含まれていません。)
児童生徒の健全な成長をはかることを目的とし、親と教師とが協力して、学校および家庭における教育に関し、理解を深め、その教育の振興につとめ、さらに、児童生徒の校外における生活の指導、地域における教育環境の改善、充実をはかるための会員相互の学習その他必要な活動を行う団体である。(昭和42年6月23日文部省社会教育審議会報告より)
またPTAは任意加入の団体であり、加入や脱退については特に義務付けられていません。
PTAは、子どもたちが育つ環境をよりよくするため、保護者が学校や地域と協力して活動するもの。そのために保護者が学校に顔を出し、子どもの様子を見て、先生とコミュニケーションを取り、保護者同士も仲良くなれるようにするという目的が達成できれば、やり方はなんでも良いのです。
主な活動内容
・運動会やマラソン大会、芋掘りなど行事の手伝い
・園舎、校舎の清掃や草刈り
・登園、登校時の見守りや地域パトロール
・ベルマークの集計
・運動会の参加賞や卒業記念品の選定・購入
・講習会の企画・実施
・PTA総会への参加 など
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参考文献:
・PTAをけっこうラクに楽しくする本(著者:大塚 玲子)
・PTA、やらなきゃダメですか?(著者:山本 浩資)
・PTA不要論(著者:黒川 祥子)
西町小学校 PTA役員さんにお話を伺いました
草加市立 西町小学校の現役PTA副会長の大金さん、田中さんにお話を伺ってきました。
場所はPTA会議室にて。PTA会議室は、学校内の一室に設けられていて、ここで資料を作成したり、委員会活動を行うことが出来ます。
ぼっくるん隊の取材に伺った日は、次年度入学する保護者説明会用の資料を他の役員さんたちが作成していました。
お仕事はしている?
本部役員11人中 2人が男性(自営業)、 9人が女性。女性の9人中4人は働いています。
田中さんは、上の子が4年生のときに役員を引き受け、その時1番下の子は幼稚園年少だったので仕事ができませんでした。
大金さんは、職場で理解があるのでパートとして働いています。
過去には会社員の男性役員もいて、平日はあまり顔を出すことが出来なかったのですが、土日の行事で頑張っていました。
本部の仕事は、年間を通して予定が決まっているので、事前に計画を立てることが出来ます。
書記も会計も、複数人いるので、交代しながらやりくりしています。
本部役員の仕事とは?
常任理事会7回と、理事会で話し合う議案と資料作りを定例会として7〜8回程度、集まっています。
また本部役員は、各委員会に3人担当をつけて、委員会運営が円滑に進むようにサポートしています。
※サポートとは、基本は委員会は委員長・副委員長が運営しているのですが、スムーズに委員会が回るように相談に乗ったり、手紙のチェック、学校とのパイプ役をしています。
役員をやっていて、大変だったことは?
・子どもが体調を崩すと家庭内で連鎖的に体調を崩すので、体調管理が大変でした。
・学校に出向く時間、家での作業、家事との両立と、時間を作るのが大変でした。
・職場の理解、家族の理解が大切で、忙しい時期(4〜5月総会資料作成、委員会の立ち上がり・係決め時期)と閑散期の過ごし方を考えていました。
役員それぞれの事情を、お互い様で理解しあって補い合っています。
役員をやっていて良かったこと、やりがいは?
・役員同士でコミュニケーションをとり、子育てに関する情報交換ができます。
・同じクラスのママや担任以外の先生方とも顔見知りになれるので、子どもの様子を聞けます。
・学校に出向くことが多いので子どもの様子を見ることが出来ます。
・役員を始め、学校や地域(見守り隊や、読み聞かせしてくださる方など)とのつながりが増え、視野が広がりました。
非会員はいる?
保護者の中にはPTAに参加することがどうしても難しい状況の人もいます。例えば、病気を患っている人、介護をしている、小さい子どもを抱えている、ひとり親で仕事は休めない、失業中であったり、生活保護を受けていたり、両親が外国人であったり、色々な家庭があり、「活動」「会費」の両面において参加が難しい中で、一律にPTAへの加入が前提となっていることがほとんどです。
そういう場合はまず学校の担任の先生に相談の上、役員としては出来る限り協力するという姿勢です。
決して無理はして欲しくないし、相談して欲しいです。
すべての家庭が同じようにPTAに参加するのは不可能である!ということを認識した上で活動すれば、みんなが少しずつ楽になれます。
PTA会員でいることでのポイントとしては、
・通学班として助け合うことが出来ます。
・入学時や卒業時の贈り物を受け取ることが出来ます。
・学校で団体加入している保険(草加市PTA団体保険制度 ※賠償事故24時間補償)にPTA会費内で入れます。
PTA活動に不安を持つ方、これから入学するお子様の保護者へメッセージ
出来る範囲で、お手伝いいただけたら嬉しいです。
お子様の様子を知れたり、先生・保護者・子どもたち・地域の人たちとの輪が広がります。
怖がらないで、活動を楽しんで欲しいです。困ったことがあれば、いつでも相談してください。
取材後…
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取材中の雑談で、「委員会・係の内容や、子連れ・仕事をしていても出来るのかなど、PTAに関して、噂ではない情報を、委員会や係を選ぶ前に知れたら、安心なのでは?」と話していました。
今回の取材後、2月初旬に新1年生保護者に向けた学校説明会が開かれました。その時に合わせて、役員さんたちは、各委員会の詳細をまとめた展示物(しかも手書きでとっても親しみやすい♪)を、たった2週間足らずで作成してくださっていました。
ひとつの雑談の中のつぶやきで、ここまで動いてくださったことに感激し、またその行動力に驚きました。
そして、きっと就学させるのが初めての親御さんもいらっしゃったと思います。
不安な気持ちにきちんと寄り添っていただけたことが、とても嬉しかったです。
おまけ
ちょうどPTA記事を推敲している時に、こしがやFMでPTAに関する話題を取り上げていましたので、少しご紹介します。
2月5日(火)10:30〜放送されたのは、〝子育て中のみなさんが共感したり笑ったりホッとしたり子育てを楽しむ番組「子育てはひふへほ」〟(埼玉県越谷86.8mh ハローハッピーこしがやFM)によるものです。
【ネガティブな面としては…。】
・無理やりやらされる。
・決まるまで教室から出られない。
・引き受けても人間関係が面倒。
・仕事していると時間の調整がすごく大変。
・自分に自信がないので立候補することはない。
【心配なことは?】
保護者間のトラブルに対して役員をするとそういうところも深く関わるので大変です。
子どもを通じて学校や地域とつながることは世界や視野が広がって素敵、でも見たくなかったものも見えてしまうし、見るだけではなく、対処しなければならなくなる時があります。
【メリットはこんなにもある♪】
・スキルが身に付きます(パソコン、コミュニケーション、交渉術)
・子どもたちの日常風景を見ることが出来ます。
・学校が好きになり、先生と仲良くなれました。
・知り合いが増え、人脈が広がりました。
・地域のことを知ることが出来ました。
・行事でもPTAでないとやれないことがあり、文化祭の準備などのワクワク感、達成感・連帯感を感じられます。
・災害が発生したら、学校が防災拠点となるので、PTAが連携すれば、地域の方も守ることができます。
(実際に越谷市内には地域と共に学校運営している学校もあります。)
◆PTA役員をやっていた、まゆゆさんが感じたこと
・なぜPTAに飛び込んだのかというと、地域のことを知りたかった。自分が住んでる地域での在住は長いけど、なにも知らなかった。
・保護者1人1人が、無知無関心(→ネガティブなこと)だと感じた。少しでも関心を持つことが大事。
【PTA活動の目標としては】
・みんなと一団となって、いい事したよね!って思えたら素晴らしいです。
・今後PTA役員になる人へ、この反省を残してあげたい。
(会議室にはわからない資料とかもあり、捨ててしまうこともある。反面、整理する時間もなくてやらないことも多い。)
・紙ベースでなく、データベースでやれれば良いと思いました。(紙ベースだと過去のものが引き継ぎにくい。)
色々な方にお話を伺って…
ネガティブな印象になりがちなPTA活動ですが、当初、私自身が抱いていた「役員さんは怖いのかな?」「子連れでも大丈夫かな?仕事していても…」などの恐怖感・不安感は、色々な方にお話を伺う中で、払拭されました。
直接お話する中で、立場や抱えているモノや状況が違うけど、同じ〝母親〟であることは間違いないので、状況によって、PTA活動自体に深くは関わらなくても、一人一人の少しのパワーを寄せ合い、学校・地域・保護者が繋がっていれば、出来なかったことが出来たり、助け合うことが出来るのだと感じました。
今年度、私は広報委員会をやりました。運動会と3学期に行われる行事のカメラ撮影と、その写真の選定、行事の感想は自分の子どもに書かせるので、ただただ可愛い我が子の写真を、とても良い位置で撮影できた♪というメリットしかありませんでした。(委員長・副委員長のおかげです)
子どものお手伝いを、イヤイヤやるのはとてももったいない。
やるからには、楽しんでやれたら良いなぁと思いました。
取材日:1月24日、2月7日
取材・作成者:白、とま.*