自園給食になりました「みのべ幼稚園」

自園給食になりました「みのべ幼稚園」

公開日:2019/09/09

作成者:マツリーヌ

102015年にぼっくるん隊は草加市の幼稚園を一斉取材しました。その時にみのべ幼稚園も取材をし、数年経った現在、当時と給食の内容が変わったとのことで追加取材をさせていただくことになりました。  → 2015年 みのべ幼稚園記事

取材の日は夏休みに入っていましたが、預かり保育の日も給食が出るとのことで、ぼっくるん隊メンバーのこむすびさんと共に給食の様子を取材し、園長先生にお話しを伺いました。

 

 

 

 

自園給食になったきっかけ

3みのべ幼稚園では、20194月から給食が新しくなり、作りたての温かい給食が食べられるようになりました。昨年度までは仕出しのお弁当給食でしたが、今年度より園のすぐ近所に給食を作る施設「食育センター」が設立されました。
食育センターを作ったきっかけは、温かい給食を子どもたちに食べさせたいという、園の長年の想いがあったようです。
というのも園長先生は、温かいご飯で汗をかきながら食事をする事を理想としているとおっしゃっていました。
お弁当給食の時は、お残しする子が多く、完食した時のご褒美のシールやスタンプがなかなかもらえないという子も…。しかし、小学校の温かい給食を試食しに行った時には、完食する子が多かったそうです。そういうこともあり、温かい給食にして残食をなるべく減らしたいと考えていたそうです。
しかし、みのべ幼稚園の園舎に給食を作るスペースと設備がないということでなかなか実現が難しかったようですが、近所に給食の施設を作るための土地を探していたところ、園のすぐそばに新築の建売住宅が売りに出されたのを思い切って購入したそうです。

 

 

自園給食になってから

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さっそく、給食の様子を取材しに行ってみました。取材日は夏休みの預かり保育ということで、学年ごとに教室に分かれて給食の準備をしていましたよ。教室からは、とっても美味しそうな匂いがしてきました。
配膳の際は、子どもたちが残さず食べきれるように、先生がおかずの量を変えて盛り付け、園児は食べられる量のものを自分で選んで取りに行
そうです私たちが取材をしている時も、各自おかずごはんお味噌汁と順番に一つずつ取りに行っていました。そして最後に先生が麦茶を入れ、全部揃ったところで全員で食べ物に感謝し、いただきますのご挨拶をしていました。
自園給食になってからは、なるべく残さないように好き嫌いが多い子でも頑張って食べられるように、盛り付けの量を加減することができるからこそ、完食した時の達成感が得られる
そうです
そして何よりも、子ども達は作りたての温かい給食になってからは、美味しいと残さず食べてくれて、おかわりをする子も増えたそうです。もちろん食べきれない時は、時間を決めてご馳走さまをし、お片付けもします。

13また、スプーン(2歳児)や箸(年少児)のお稽古を保育で取り入れ、お茶碗の持ち方も指導をしているそうです。三角食べなどの作法も、お茶碗・お椀・おかずの置き場所が分かるように印刷した紙をランチョンマットがわりに使い、理解できるようになったら普通のランチョンマットに変えるなど工夫して指導しているそうです。

 

 

 

 

給食はどこで作っているの?

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給食は、園の近所に立った新築のお家の内装を給食室に改装したところで、委託業者さん(株)富喜屋が毎朝8時頃から全園児と先生方の分を合わせて約450食ほど作っているそうです。
私たちは、新しくできた「食育センター」に興味津々でおじゃまさせていただきました。
外観は食育センターという感じはなく普通の一軒家でしたが、中に上がらせてもらうと、外観からは想像できないような立派な給食室がありました。
トイレや二階はスタッフの方が休憩室などとして使えるように残し、一階のキッチンやリビングなどを厨房に作り替えたそうです。
私たちが取材した時は、おやつの準備をしていました。
スタッフの中には、在園児のママさんもいらっしゃるとのことですよ。
夏休みなどの預かり保育の時にも、給食やおやつを提供してくれるのは、ママたちにとっても嬉しいことですよね。

 

2こちらのワンボックス車で、作った給食やおやつを園まで運んでいるそうです。→

 

 

 

 

 

給食のこだわり

野菜メインで、うま味調味料を使わず、野菜の味を生かした味付をしている。
☆ごはんは、基本的には白ごはんで、時々混ぜごはんメニュー。
 玄米を使うことを理想とし、丼ものには玄米と白米を8対2で混ぜている。
 →これは、そしゃくの効果やお通じが良くなることも期待しているとのこと。
☆カルシウムは牛乳や炒り子で補給するようにしている。
☆ひと月に一回、日本の郷土料理メニューを取り入れている。(7月は京都料理でした)
☆パスタやうどんなどの麺類の日もあり、子ども達が飽きない工夫をしている。
 

人気メニュー

11★カレー
★ハヤシライス
★から揚げ
★丼もの(玄米を混ぜたごはん)

 

 

 

 

 

在園児、保護者の反応

14園児たちは、作りたての温かい給食になってからは、野菜のうま味を生かした薄味でも残さず食べてくれて、好き嫌いが多い子でも「野菜が食べられるようになったよ」という子も増えているそうです。
保護者は、給食費について今までより費用がかかってしまうことに異論もあったようですが、希望者には試食をしてもらったり、子どもたちの反応や園の考え方を説明することで、疑問や不安を解消してもらい納得していただいているそうです。
やはり、子どもたちが温かい給食を笑顔で「おいしい」と言ってたくさん食べてくれることが、保護者にとっても一番ですよね。

 

 

取材をした感想

マツリーヌ
自園給食になって残さず食べられるようになっただけではなく、お茶碗の持ち方など給食を通して作法も身に付けられるような取り組みができるのはとてもいいことだと感じました。これが園児たちの習慣となって身に付いていけば、大人になってからの作法にもつながることでしょう。
また、先生や保護者もどのようなところで、誰が作っているかが分かると安心ですし、作っている側も園児たちの反応を見たり、献立について検討していきやすいのではと思います。
今回の取材で、給食が変わったことで、子どもたちの食に対する意識も変わっていくのだと感じました。

こむすび
園長先生の「食」に対する熱い想いが感じられます。自園給食を目指してから実現まで約10年かかったそうですが、その間、土地探しから給食の視察や検討を重ねて今に至ったというお話に感心しました。
私の息子は食が細く(そのわりにお菓子は食べる)、家庭の食事だけでは正直不安です。みのべ幼稚園のように、作り立ての温かい給食でバランスの良い食事を用意してもらえるのは、私のような親にとってはとてもありがたいな~と思いました。

 

取材日:2019/7/24

取材者:こむすび・マツリーヌ

作成者:マツリーヌ

 

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