更新日:2024/04/02
早起きを考えよう
中学生になると、部活や塾・テスト勉強など、今まで以上にこなさないといけないことが多く、寝る時間が遅くなり、睡眠時間の足りていない子どもが多くみられます。
幼児から睡眠時間は重要ですが、成長期のこの頃も、睡眠不足や睡眠障害が続くと、肥満や生活習慣病やうつ病などの発症率を高めるなどの危険性もあります。今一度見直してみませんか。
睡眠のゴールデンタイム
「睡眠のゴールデンタイム(寝付いてから3時間位までの一番深い眠りの時)」に体の成長、修復、疲労回復に重要な成長ホルモンが大量に分泌され、骨や筋肉の修復や合成、脂肪の燃焼、免疫力の増強、お肌の修復作業を行われることなど、成長期に重要なことはすでに知っていると思います。
しかし、生活習慣の乱れから、睡眠が浅くなってしまうと成長ホルモンは分泌されにくく、寝ているはずなのに疲れが残って、朝スッキリと起きることができなくなってしまいます。成長ホルモンをしっかりと分泌させ、体のメンテナンスを行い、元気に朝を迎えられるよう生活リズムを考えてください。
睡眠を促すホルモン
「睡眠ホルモン」といわれ、脈拍、体温、血圧を低下させ、自然な眠りを誘う「メラトニン」は、朝日を浴びてから約14~16時間後に分泌を開始するといわれています。 午前8時に起きて朝日を浴びれば、だいたい午後10時~12時ごろにメラトニンが分泌されます。そのため毎日、決まった時間に起きると、同じ時間に眠くなるのです。
メラトニンは、光で夜と昼を感じとるホルモンなので、「夜遅くまで明るい部屋の中で起きている」「パソコンやゲームをしている」「部屋の明かりをつけたまま寝ている」と、分泌が少なくなり、眠くなりにくくなってしまいます。
生活リズムを整える ~早起きから始めよう~
ポイントは「早起きから始める」「朝起きた時に太陽の光を室内に取り込む」ことです。
まず一週間、早起きをしてみます。
起きると同時に、朝の明るい光を感じるようにして、体内時計を朝方に修正していきます。また、夜は寝る前の1時間~数十分は、テレビやパソコン、スマートフォンの使用を控えるなどをして、眠りに入るための新しい生活リズムを始めてみませんか。子どもが、帰宅後のスケジュールを決めるなど自主的に動けるよう、親子で話ができると良いですね。
関連サイト
朝ごはんを考えよう
朝食を、毎日食べない中学生の割合は、中学校3年生で18.1%となっています(文部科学省令和3年度「全国学力・学習状況調査」より)。朝食は脳の働きを活発にし、生活のリズムを整える大切な役割があります。
朝ごはんはなぜ大事といわれるのか
朝ごはんを毎朝食べている子と全然食べない子では、学力や体力に差がでてくると言われています。
文部科学省が中学校3年生を対象に実施した令和3年度「全国学力・学習状況調査」によると、毎日朝食を食べる子どもほど、学力調査の平均正答率が高い傾向にあるという結果がでています。
朝食の摂取と学力調査の平均正答率との関係 中学生 |
毎日食べている | どちらかといえば食べている | あまり食べていない | 全く食べていない | |
国語 | 66.2 % | 61.1 % | 57.0 % | 55.7 % |
数学 | 59.5 % | 51.2 % | 45.7 % | 43.6 % |
資料:文部科学省「全国学力・学習状況調査」(令和3年度)
さらに、令和元年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によると、毎日朝食を摂る子どもほど、体力合計点が高い傾向にあります。
朝食の摂取と体力合計点との関係 中学生 |
資料:スポーツ庁「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(令和元年度)
朝ごはんで脳のスイッチオン!
朝ごはんを「食べた」と「食べない」の違いだけで、なぜ、ここまでの学力差、体力差がでてきてしまうのでしょうか?
ごはんなどの主食には、脳のエネルギー源になるブドウ糖が多く含まれています。
朝ごはんは、ブドウ糖を補給し、脳と体をしっかり目覚めさせて、朝から勉強や仕事に集中でき、一日を活動的にいきいきと過ごすための大事なスイッチといえます。
早寝・早起き・朝ごはんで「生活リズム」をつけましょう。
朝ごはんで食べるといいもの
ブドウ糖が含まれる食品と、ブドウ糖のエネルギー代謝を促す食品を一緒に食べると効果的です。活動的な一日を送るために欠かさず食べたいですね。
ブドウ糖が含まれる食品は、ご飯・パン・麺類・イモ類・豆類などです。
ブドウ糖のエネルギー代謝で必要な ビタミンB1は、 豚肉、大豆、レバー、ゴマ、落花生、豆腐、ホウレンソウなどに含まれています。
同時にたんぱく質やミネラルなども一緒に食べるなど、バランスのよい食生活をおくりましょう。
朝ごはんを食べないと、どうなっていくの?
・頭が働いてくれません
朝ごはんを食べないと、頭がボーっとすることはありませんか?
それは睡眠でエネルギーを使い、ブドウ糖が不足し、低血糖状態になっているからです。なんとなくイライラしたり、集中力が出なかったり、勉強がはかどりません。朝ごはんをきちんと食べることで、脳が働きますので、欠かさず食べましょう。
・食べない習慣が続くと…
<体質変化>
筋肉は、エネルギー消費が高い人体組織です。普段から筋肉を適度に使って活性化させておくと、エネルギーを大きく消費してくれる、なくてはならないものです。
しかし朝ごはんを食べず、ブドウ糖を摂取せずにいると、脳のエネルギーの代替として、筋肉が消費されてしまいます。エネルギー消費が少なくなると、次第に「エネルギーを消費しにくい体質」に変わってしまいます。
<体脂肪増加>
人間の体は、朝ごはんを食べないなど、何も食べない時間が長く続くと生命の危機を感じて、入ってきたエネルギーをできるだけ保存しようと働きます。エネルギーの保存とはズバリ、体脂肪です。きちんと食事をとり、エネルギーが定期的に入ってくると体が感じれば、体脂肪の蓄えはしなくなります。
朝ごはんを始めよう
朝は「ご飯+おかず(なるべく品数を多く)」を摂る方が良いと言われていますが、忙しく難しい時は、以下のことを参考にできることから実践してみてください。
■そのまま食べられるもの、火の通りが早いものでメニューをつくる
納豆、豆腐、ハム、ツナ缶、キュウリ、レタス、チーズ、ヨーグルトなどそのまま食べられるものや、卵、キャベツ、ホウレン草、ウインナーなど火の通りが早いものや、みかんやバナナなど簡単に皮をむける果物を用意する。納豆とご飯なら自分で用意することも出来ますね。
■ワンプレートのメニューにする
ご飯とおかずをひと皿にのせると、見た目もカフェ風で、洗い物も減らせます。
■米粉パンや全粒粉のパンを活用
パンを好む人は、米粉や全粒粉、ライ麦パンを選ぶと、GI値I(食後血糖値の上昇度を示す指標)が低いのでオススメ。ハムやツナ、野菜があればサンドイッチにしたり、ヨーグルトをプラスしては。
■最初は+1品でもOK
そもそも食べる習慣がない、食べないという場合は、「ご飯+1品」から始めてください。ご飯と納豆、ご飯と味噌汁などから始めて果物や卵などをプラスしていってください。
休日に炊き込みご飯のおにぎりを作って、冷凍しておくのも良いですよ。
関連サイト
子どもの食育 ・確かめよう!自分の一日(農林水産省)
「早寝早起き朝ごはん」全国協議会
朝ごはんと排便の関係性
朝ごはんを食べることの大切さは、栄養補給や集中力アップだけではありません。
朝の排便に関係があります。
「噛む」という行為で、脳が「食べたので消化しよう」と体に指令を与え、眠っていた消化器官が働き始めるのです。そのため朝の排便につながります。
ご飯、パンなどの主食は、おかずや副菜がつくので噛む行為が多くなりますが、ドリンクやゼリーでは、エネルギーは摂取できても、噛む行為はありません。
学校にいる時間に便意が来ても我慢してしまう子は便秘になってしまうこともあります。登校前に排便を済ませられるように、朝ごはんをしっかり噛んで食べましょう。
体と食事のバランスを考えよう
中学生・高校生は、成長期なので沢山の栄養素が必要となります。部活や塾・習い事で食事が不規則になったり、栄養障害が起きやすい頃なので注意が必要です。偏った食事や欠食は、成長の妨げや体調不良の原因になるので、日々の食事をしっかり摂れると良いですね。
食べたくない、食べられない場合は、その理由を考えて、改善できることがあれば実行してみましょう。
食事を楽しく感じられていないかも
・食べ方、箸の持ち方などをついつい注意してしまう。
⇒食事とは別の時間に、社会に出た時に恥ずかしくないようマナーについて話し合いの場を持ちたいですね。
・好き嫌いを指摘する。
⇒年齢と共に味覚が変わり、食べられるものも増えるもので、量を調節したり、時期をみてチャレンジさせてみては。
一度に食べられない
・もともと小食・食事の時間が長くとれない。
⇒食事の回数を増やして補うのもいいでしょう。食べきれる量を小分けにして食べてみては。
・満腹と言った割に、食べ終わるとすぐにお腹がすいたという。
⇒胃腸の動きがスローなのかもしれません。食べ始めに、胃腸の動きを促進させる「グルタミン酸」を多く含むしらすやこんぶなどの出汁類で、食欲を刺激してみては。
お腹が空かない
・体を動かしていないのかも。
⇒運動を心がけましょう。運動量が少ないと筋肉量が少なく、消費カロリーが少ないため、食欲がわいてこないものです。たまには親子でジョギングやサイクリングもいいですね。
・間食をしている
⇒甘く、油の多いお菓子は、お腹にたまりやすく、お腹が空きにくいです。夕飯間際には避けたいですね。 牛乳やジュースなどの飲みすぎもお腹にたまりやすいですよ。
食べてすぐに寝てしまう
・食べてすぐに寝てしまうので、目覚めても胃中の消化が終わってなくて食欲がでないのかも。
⇒眠る2~3時間前までには食事を済ませておくと、胃の中のものを消化してから眠れます。熟睡してしまうと消化が止まるので、寝る前に食べることは避けたいですね。
体型を気にしてしまう
子どもが「太っている」「もっとやせたい」など言っている。
⇒思春期には身近な人からの何気ない言葉を気にしてしまうので、外見についてマイナスな事は言わないようにしましょう。
⇒標準体型を知ることも大切です。計算して、確認してみましょう。
【BMIによる計算式】 BMI = 体重(kg)÷ (身長(m) × 身長(m)) |
BMIとは、体重と身長の関係から肥満度を示す体格指数(BMI)のことです。
例:体重54kg 身長160cmの場合、54÷(1.60×1.60)= 21.09375 BMI 21=普通体重
低体重(やせ) | 18.5未満 |
普通体重 | 18.5以上 ~ 25未満 |
肥満(1度) | 25以上 ~ 30未満 |
肥満(2度) | 30以上 ~ 35未満 |
肥満(3度) | 35以上 ~ 40未満 |
肥満(4度) | 40以上 |
関連サイト
子どもの偏食、改善計画!(丸大食品 わんぱく食品ナビ)
中高生の親が知っておきたい体を作る栄養と食事の摂り方(ハウス食品)
カロリーとは(タニタ 健康のつくりかた)
早分かり!食事バランスガイド(農林水産省)
キッズボックス(内閣府食品安全委員会)
成長曲線(厚生労働省)
食生活を整えるために
食育で大切なのは「お腹がすいて、楽しい雰囲気で食卓を囲み、空腹感が満たされること」ですが、忙しく、家族で一緒に食事をとることが難しいかもしれません。自分自身で「今日食べたものが、明日の自分の体を作ることになる」ことを自覚するようになると良いですね。食は命につながります。また食への興味・関心が、自分の体を見直すきっかけになります。
食に関心を持たせよう
・家族で楽しく食事の時間を持つ
家族で食卓を囲み、一日の出来事や気になっている話題を話すことで、会話がはずみ、楽しい時間を共有することができます。朝は親も子も忙しく、それぞれが孤食になってしまったり、全員で集まることができないこともあるでしょう。
大切なのは一緒に集まった時に充実した時間を過ごすこと。休日などに一緒に食事が出来ないか予定を確認してみては。また、食事を一緒にとれない時にメッセージを残したり、休日などに買い物や調理を一緒にするのもいいですね。調理中はお互いの目と目が合うことが少ないので、普段話せない事も話しやすいですよ。
・自分の好きな食べ物はなに?
食に興味がない人もいます。ですが好きな食べ物は誰にでもありますよね。食事の時間以外でも家族の会話の中に食に関する話題を出すのもいいですね。
・一緒に作ってみよう
子どもと食事づくりをしたことがありますか?
調理方法や手順などを話したりすることで、食品への知識・情報が増え、自分だけで調理する際や、外食やコンビニでのメニュー選びにも役立ちます。
最初から最後まで、一緒にやろうと思うとお互いのペースがうまくかみ合わないことがあります。
まずは、野菜の皮むきや、炒めるだけの作業をしてもらうなどから始めてみては。
料理は徐々に作業の手順などを覚えていくものなので、あせらず、ゆっくり教えていきましょう。メニューを考える時に「野菜は使ったか」「お肉ばかりになっていないか」「揚げ物は多くないか」などを意識することで、バランスよい食事作りができるでしょう。また、季節のものや地域の産物などを使用することで、食材のおいしい時期があることも教えたいですね。自分で作ることで食事作りの大変さ、楽しさを理解していきますので、やる気がでてきたら応援してあげてくださいね。
子どもが「自分が作った!」という達成感を味わいながら料理を食べることで、さらに大切に食べることを学べます。
◆ぼっくるん隊の関連ページ◆
ぼっくるん隊が地元で野菜栽培・販売しているお店を取材してきました。
ぼっくるん隊>じもとーく>農産物庭先販売所
ぼっくるん隊>じもとーく>おいしい野菜を求めて 「チャヴィペルト」へGO!
関連サイト
草加市保健センターのキッチン(公式)(クックパッド)
めざましごはん・朝ごはんを食べないと?(農林水産省)
誰でもつくれる朝ごはんメニュー集(埼玉県県教育委員会)
朝時間.jp
自転車マナーアップ
近年、自転車の交通事故が多発しています。学生は、通学や日常の生活において自転車を利用することが多いので、万一事故を起こした時の加害者としての責任などを自覚してください。最近では高額な賠償請求をされる事例も多くあります。被害者・加害者のどちらの側になっても辛く、双方の家族や友人など周りの人も悲しい思いをします。
自転車に乗る時の「守るべきルール」を再認識できるよう家庭でも話す機会があると良いですね。
つい・うっかりとやってしまいそうですが、自転車も、
・うす暗いと感じたらライトをつける
・スマホやゲームなどを見たり、通話をしながら走行しない
・イヤホンの使用はしない
・傘をさして運転しない
・二人乗りや並んで走行しない
・曲がり角など指定場所(標識)での一時停止をする
・ブレーキや反射器材の点検・整備をする
・乗車時はヘルメットを着用する
などのルールを守って命を守る行為をしてほしいと思います。
関連サイト
実際に起きた事故事例から学ぶ自転車利用のルール(Honda)
埼玉県道路交通法施行細則(自転車関係)について
自転車に乗る時のヘルメット着用が努力義務となります
「入って安心!RinRin(りんりん)そうか」
お金のこと
令和4年(2022年)度から法律上18歳が成人となりました。18,19歳の方は、契約が保護者の許可がなくても出来るようになり、今まで認められていた未成年者取消権が認められなくなります。スマホやクレジットカードなど、今までは保護者の許可がないと認められなかった契約が自分で出来るようになると同時に、支払いなどお金についての責任も負うことになります。
身の丈に合ったお金の使い方を分かっていないと、多重負債で苦しい生活になるかもしれません。多重債務と聞いても「そんな大袈裟な」と感じますか。
現在の社会生活では、クレジットカードやスマホ、IC系カードでの支払いなど、キャッシュレスの生活が主となりつつあります。カードをかざすことで支払いが済み、「お金は使うと減っていく」「使える金額には限りがある」という当たり前の事を実感出来なくなると、お金の価値が薄れて判断を誤り、カードやローンの支払いが増えすぎると、収入と支払いのバランスを大きく崩し支払いが困難になります。危険は意外と身近なところにあるのです。
お子さんたちは将来、自分自身の収入で生活することになります。「欲しい」という気持ちだけで手に入れることを繰り返すと、収入以上の支出になるかもしれません。欲しい物と必用な物、病気やケガした時や将来のためになど、お金のことを学び、考えられる機会があると良いと思います。
関連サイト
知るぽると・暮らしとお金 (金融広報中央委員会)
18歳から“大人”に!成年年齢引き下げで変わること、変わらないこと(政府広報オンライン)