子育て応援コラム
2021/06/03
NPO法人 Living in Japan
これは「貧困の問題」なのか?「贅沢の問題」なのか?
私達は、市役所で国際相談コーナーを開設しています。
日本語や日本の文化に慣れない市民の方の色々な相談にのっていますが、
学校に子どもを通わせたいという相談には特に心を砕いて寄り添っています。
学校での面談に付き添ったり、日本の学校のことを説明したりします。
皆さんは、外国から来られた方が新しく学校に入られるとき、何に戸惑うと
思いますか?もちろん一概には言えません。元のその方の生活により、
びっくりポイントは違ってきますから。とは言っても、15年近くやっていて
いつも丁寧に伝えることは、
集金で子どもが学校に現金を持っていくことがあること
登校班で12歳以下の子どもだけで外を歩いて登下校すること
日本の治安の良さを信じてもらうしかありません。
PTAの活動は原則一人一役であること
えっ、ボランティアなのに「絶対」ですか?に対して説明します。
宿題があること
体育や社会の授業の内容について
地図帳の島の名前を見て怒ってしまう子どももいるのです。校庭で地面に直接の体育座り
が屈辱で悩んだ子もいます。教育というのは文化を伝えることなのだなと感じます。
そして、登校までに用意する学用品についても説明します。
指定の帽子、体育着、上履き、筆箱などの文具、防災頭巾だけでも私達の見積もりで
2万円近くになります。ランドセルは、中古を皆様から寄付していただいていますが、
自分で買えば3万円くらいはするでしょう。そして、鍵盤ハーモニカ、水彩絵の具セット、
書道セット……。学校が思う標準装備をそろえて登校に備えるのにはずいぶんお金が
かかります。かなりの親御さんが、いっぺんには難しい、ということになり、私達は
寄付の品を探したり、学校からしばらく借りたりするお手伝いをすることになります。
そういう時は、バタバタとその子のことを考えて動いているだけですが、落ち着いて
考えてみるとこれはその家庭の「貧困の問題」なのか、日本の中の「贅沢の問題」なのか
ふと疑問になることがあります。例えば水彩画セットはシェアできるのではないかな、
極端な話、鍵盤ハーモニカも吹口だけ自分のがあればよいのでは?
ただ、新型コロナウィルスの感染拡大で、今はそういうことは考えられないかもしれませんね。
「書道セット買いました!」とうれしそうに言う親御さんに、冬には書き初めの
だるま筆や大きな下敷きが販売されることを伝えることになるなと思うと
ちよっと気が重くなります。水泳の準備の説明をする時、「タオルはある」に対して、
いえいえ、上にゴムの入った特別なタオルが必要なんですよ、と説明する時起こるなにか
割り切れない気持ち。これはどうしてなのだろう、と思います。
今の所、親御さんたちの「がんばる!」という心意気と、周りの支えたいという
方たちからのご寄付で回っています。それはそれですごいことで、私はいつも
感謝と感動なのです。
日本語や日本の文化に慣れない市民の方の色々な相談にのっていますが、
学校に子どもを通わせたいという相談には特に心を砕いて寄り添っています。
学校での面談に付き添ったり、日本の学校のことを説明したりします。
皆さんは、外国から来られた方が新しく学校に入られるとき、何に戸惑うと
思いますか?もちろん一概には言えません。元のその方の生活により、
びっくりポイントは違ってきますから。とは言っても、15年近くやっていて
いつも丁寧に伝えることは、
集金で子どもが学校に現金を持っていくことがあること
登校班で12歳以下の子どもだけで外を歩いて登下校すること
日本の治安の良さを信じてもらうしかありません。
PTAの活動は原則一人一役であること
えっ、ボランティアなのに「絶対」ですか?に対して説明します。
宿題があること
体育や社会の授業の内容について
地図帳の島の名前を見て怒ってしまう子どももいるのです。校庭で地面に直接の体育座り
が屈辱で悩んだ子もいます。教育というのは文化を伝えることなのだなと感じます。
そして、登校までに用意する学用品についても説明します。
指定の帽子、体育着、上履き、筆箱などの文具、防災頭巾だけでも私達の見積もりで
2万円近くになります。ランドセルは、中古を皆様から寄付していただいていますが、
自分で買えば3万円くらいはするでしょう。そして、鍵盤ハーモニカ、水彩絵の具セット、
書道セット……。学校が思う標準装備をそろえて登校に備えるのにはずいぶんお金が
かかります。かなりの親御さんが、いっぺんには難しい、ということになり、私達は
寄付の品を探したり、学校からしばらく借りたりするお手伝いをすることになります。
そういう時は、バタバタとその子のことを考えて動いているだけですが、落ち着いて
考えてみるとこれはその家庭の「貧困の問題」なのか、日本の中の「贅沢の問題」なのか
ふと疑問になることがあります。例えば水彩画セットはシェアできるのではないかな、
極端な話、鍵盤ハーモニカも吹口だけ自分のがあればよいのでは?
ただ、新型コロナウィルスの感染拡大で、今はそういうことは考えられないかもしれませんね。
「書道セット買いました!」とうれしそうに言う親御さんに、冬には書き初めの
だるま筆や大きな下敷きが販売されることを伝えることになるなと思うと
ちよっと気が重くなります。水泳の準備の説明をする時、「タオルはある」に対して、
いえいえ、上にゴムの入った特別なタオルが必要なんですよ、と説明する時起こるなにか
割り切れない気持ち。これはどうしてなのだろう、と思います。
今の所、親御さんたちの「がんばる!」という心意気と、周りの支えたいという
方たちからのご寄付で回っています。それはそれですごいことで、私はいつも
感謝と感動なのです。